昔の外国製キットには日本では珍しい艦もあり、なかなかに興味をそそられます。
特に1970年代までのキットは黎明期のミサイル艦やアングルドデッキの空母もありで、私を含めてお好きな人にたまりません。
その中でも、この記事で紹介するロングビーチは世界初の原子力水上艦として有名な艦で、以前の記事で紹介したレトロキット4個のうちの1個になります。
作成
早速作成です。
1960年代のキットだけあってパーツの不具合を覚悟してましたが、
- モールドは大味だけどしっかり作ってある
- パーツの取付用穴は正確に空けられている。間違い防止用に左右で穴の大きさを変えてある。
- パーツ整形のずれは多少あるものの、組み立て困難なほどではない。バリはほぼなかった
となかなか好印象。さすがはレベルです。
一方、
- 上部構造物の壁にはダボなどがなく、接着しづらい
- 甲板に反りがあり、艦首部分が浮いてしまう
- ランナーから外れてる部品数点あり。ボートダビッド1個なくした(あるいは欠品)
- 取説のパーツ番号は1番からの順番通りなものの、ランナーに付いているパーツ番号は順不同で探しにくい
- スクリューはバリ多し+肉不足でボロボロ。(レトロキットは特にスクリューの造形が悪いことが多いです)
この辺はレトロキットあるあるな感じ。
また最近のキットではお目にかかれないギミックもあります。
上部構造物の一部を外せるようになっていて、船体に原子炉が格納されているのが見られます。
キットと箱絵が違う
このキットは販売中に箱絵が変更されていて、いずれも竣工時の実艦と異なります。
実艦の建造中にキットを作ったのでしょうか?
レーダーの差異に着目しますと、
箱絵①:SPG-49×3、艦橋周囲のフェーズドアレイレーダーなし ←キットはこの状態
箱絵②:1968年?に変更したと思われます。SPG-49×3に加えSPG-55×2、艦橋周囲に横長のSPS-32のみあり ←このキットの箱絵はこれ
実艦:SPG-49×2に加えSPG-55×4、艦橋周囲にSPS-32と縦長のSPS-33(後日装備)を搭載
フェーズドアレイレーダーやイルミネーターがずらりと並んだ姿はこの艦の魅力の1つですので、これらを自作して搭載することにしました。
レーダーを追加搭載
①艦橋周囲のフェーズドアレイレーダー
箱絵では横長のSPS-32のみ描かれています。
竣工直後の実艦に合わせているのかもしれませんが……。
実はキットの艦橋上部パーツの縦横比が実艦と違うようで、邪推すると両方搭載した絵は描けなかったから、とも言えそうです。
ですので私もSPS-32のみ作成しました。モールドを削ってプラ板を接着です。
モールドを削るときにはこれを使いました。緑のリングはカバー兼グリップになります。
②イルミネーター
キットにはSPG-49×3のみ付属されてましたので、SPG-55を4個それっぽく作成します。
アンテナ本体はエポパテを盛って、架台はプラ板から作成。
架台の形状は完全再現とまではいきませんでしたが、それっぽい見栄えになったと思います。
「プラ棒 チャンネル」は7.9mmのものを使用しました。
完成したSPG-55×4個を仮置きしてみました。余ったSPG-49は後部に移植することに。
最後にマストとぶっといホイップアンテナを接着して完成です。
完成
完成写真はこちらです。
実艦とは少しづつ違うものの、全体的な雰囲気はつかんでいると思いました。
このような良質のレトロキットならばまた作りたいです。
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