最近はウォーターラインシリーズでもマイナーな艦船のキットがたくさん出てますね。
今回は商船改造の特設水上機母艦である君川丸(1/700スケール アオシマ製)を作っていきます。君川丸は昭和12年に貨客船として竣工してニューヨーク航路に従事、昭和16年に徴用され水上機母艦に改造。昭和18年には特設輸送艦に転用されたそうで、箱絵のような姿が見られたのはわずか2年ほどだったようです。
組立て時の小ネタ
このキットはエッチングパーツなし、改造なしのお手軽方針で作りはじめました。パーツ数は少なく船体の組み立てはあまり苦労しません。ただ小さいパーツの作りの甘さが目立つので、少し工夫しました。
1.ラッタルの代用品
例えば、船橋後部の階段パーツ。
このパーツの出来はどうしようもなく悪いです(①、赤矢印)。踏板が約5段と粗いし、パーツ自体が斜めに歪んでいるのでまともに接着できません。
手持ちの予備パーツをあさってみたところ、waveの角型バーニア(②、紫矢印)を使うことにしました。実はこのパーツの中心部に縞々のモールドが切ってあるのです。中心部を切り取ってラッタルにしてみたところ、いい感じに(緑矢印)。
2個作って入れ換えた様子が③。我ながら見違えるほどの出来になりました。船橋内部の階段のモールドはまともなのになぜこのパーツだけが残念な出来なのか……解せません。
2.水上機の運搬用台車
水上機の運搬用台車のパーツは軌条の幅より広いので、そのまま取り付けると傾きます。軌条の間にはまるように台車の底に0.3mmのプラ板を付けました。
組み立て時の注意点
取説通りでは作れない場所、または私が失敗したと思ったところを列挙します。
①取説にはC16(操舵室フロア)に直接の窓ガラスパーツ(D1,D2,D3)を接着するように書いてありますが、パーツC15(船橋前面)とC16(操舵室フロア)の接着後でないと窓ガラスパーツは嵌りません。
②キセル型給気管をはめる甲板の穴が浅いので、相当気を付けても接着時に曲がります。
③クレーンにとり付けるデリックの取付穴が大きく、接着剤が固まるまで固定しないと曲がります。②と③は、固まるまで1~2分の時間がありながらしっかりと接着するゼリー状瞬間接着剤を使うのがいいかもしれません。
④艦首砲の台座を水平に取り付けるのに苦労しました。中央の台座の穴にうまくはまらず、しかも若干高いので削りました。
他にも、探照灯を付けるための船橋上の甲板に穴を開ける指示がなかったり、箱状パーツを前部甲板に取り付ける時にための甲板側の穴がずれてて嵌らない、など。改めて仮組みの重要性を思い知らされました。
塗装
全体をラッカー塗料の軍艦色で塗った後、アクリルの艶消し白で薄く迷彩を塗装。白を重ね塗りするときに一部をマスキングしてつぎはぎ感を出しました。現地で応急的に塗り足したイメージです。
航空機運搬軌条(レール)のシルバーはパーツの接着前に、塗料をよく絞った筆を横に寝かせて塗りました。
木甲板はアクリルの木甲板色で塗装。ホワイトサーフェイサーを塗っていないため暗い感じになってしまいました。
組み立て完了
パーツの取り付けが終わりました。
艦尾から。本艦の特徴であるレールを設置した後部甲板の様子がよくわかります。艦尾から前に進むと、レールは上り坂になっているようですね。搭載機のうち零式水上偵察機(緑のやつ)は主翼を折りたためるようですので、折りたたんだ姿を再現するのも面白いかもしれません。ただし難度はかなり高そう。
次回はウェザリングなどをしていきます。
コメント